・証拠金維持率について理解できていますか?
・評価損益の計算ができますか?
・適切なポジションサイズを計算できますか?
FXでは証拠金維持率によってロスカットの実行が決定されます。証拠金維持率の定義や特性を知らないと想定外のロスカットを受けて、大きな損失を出してしまうので注意が必要です。
ロスカット・・・損失を確定せずにポジションを保持している状態で、その含み損が拡大し証拠金の一定ラインを失うと、FX業者が強制的に決済をして損失を確定させること。
証拠金とは、FXの取引きするための担保する資金をいいます。
有効証拠金とはFX業者に預けているお金の総量(含み損があれば引いて、含み益があれば足す)をいいます。
必要証拠金とは、ポジションを保持するために必要となる資金のことをいいます。
証拠金維持率とは、必要証拠金に対して、有効証拠金の割合がどのくらいあるかをいいます。
下記が証拠金維持率を算出する公式になります。
証拠金維持率(%)=有効証拠金÷必要証拠金額×100
証拠金維持率が高ければ高いほど運用の安全度が高いということになります。
(一般的には、300%以上が安全だと言われています。)
ここでは、海外FX会社などの500倍のレバレッジ口座で、有効証拠金を100万で1万USドルのポジションを保有した場合を考えると、
必要証拠金は「100万÷500=2000円」となるので、証拠金維持率は「100万÷2000円×100=50000%」です。
仮に10個のポジションを持ったとしても、必要証拠金は2000円の10倍の2万円で、証拠金維持率は100万円÷2万円×100で5000%となりますから安全度は高いと言えます。
期待値とは、平均して期待される値のことをです。トレードの期待値というと、トレード1回あたりの平均損益ということで、以下の数式で計算できます。
1トレード当たりの期待値(損益)
=(勝率×平均利益)ー〔(1-勝率)×平均損失〕
この公式を使って以下の問題を解いてください。
以下の条件で期待値を求めなさい。
・勝率55%
・1トレード当たりの平均利益 45000円
・1トレード当たりの平均損失 30000円
解答
(0.55×4万5000円)ー((1-0.55)×3万円)
=2万4750円-1万3500円=1万1250円
期待値 11250円
1トレード当たりの期待値(値幅)
=(勝率×利益の平均値幅)ー〔(1-勝率)×損失の平均値幅〕
この公式を使って以下の問題を解いてください。
以下の条件で期待値を求めなさい。
・勝率60%
・1トレード当たりの平均利益=120pips
・1トレード当たり平均の損失=150pips
解答
(0.6×120pips)-(1-0.6)×150pips
=72pips-60pips
=12pips
期待値の答 12 pips
リスクとは投資での損失、リワードとは投資で得る報酬をいいます。
リスク>リワードではトレードの価値がないので、通常は、リスク<リワードのケースで計算します。
リスクリワードの値=(リワード) ÷ (リスク)
この公式を使って以下の問題を解いてください。
以下の条件でのリスクリワードを計算しなさい。
・通貨ペア: NZドル/円
・買い価格: 80.555円
・ストップ価格: 79.855円
・リミット価格 82.445円
解答 ストップまでの値幅を計算します。(リスク)
79.855円-80.555円=-0.7円(70pips)
リミットまでの値幅を計算します。(リワード)
82.445円-80.555円=1.89円(189pips)
0.7円に対して1.89円なので1.89÷0.7=2.7
答 2.7
ポジションサイズ=リスク許容(金額)÷リスク許容(値幅)
(円を通過ペアの場合の公式)
この公式を使って以下の問題を解いてください。
以下の条件下でのポジションサイズを計算しなさい。
証拠金:800万円 リスク許容:1.2%
リスク許容:170pips 通貨ペア:ポンド/円
解答
リスク許容金額の計算
800万円×1.2%=9万6000円
ポンド/円の170pipsは1.7円=56470.5882・・・通貨
答 56470通貨
PS=リスク許容(金額)÷リスク許容(値幅)÷決済通貨の対円レート
(円を含まない通過ペアの場合の公式)
この公式を使って以下の問題を解いてください。
以下の条件でポジションサイズをを計算しなさい。
証拠金 2000万円 リスク許容(%) 0.75%
リスク許容(pips) 110pips 通貨ペア ユーロ/カナダドル
ユーロ/円;130.150円 カナダドル/円;85.750円
解答
リスク許容金額を計算する。
2000万円×0.75%=15万円
ユーロ/カナダドルの110pipsは0.011カナダドルです。
また、決済通貨はカナダドルです。
150万円÷0.011カナダドル÷85.750円=159024.6488
答 159024通貨
FXでは、1回のトレードにおける損失額は全資金の3%以内が許容損失額(最大許容損失率)と言われています。ただし、資金力によって最大許容損失率の値は変わってきます。
100万円の投資資産であれば1回のトレードでの損失が3万円以内であれば、負けてもよいということです。3万以内の取引損失になるように損切りラインを設定します。
損切りの計算方法は、
(注文時のレート)− (損切り設定のレート)×取引数量=取引損益
例えば、104円/ドルで1万ドルを買い注文、1ドル=103円で損切り設定すると、
(104円−103円)×10万通貨=10000円となり、3万円以内なので、損切りラインとしてOKとなります。
最大許容損失額いっぱいまでとして、そのときの損切りラインをX円とおくと、
(104円-X円)10万通貨=30000円より, X=101円
101円を損切ラインに設定することがでます。
最適なロット数の算出
損切りラインと最大許容損失額が決定すれば、おのずと最適なロット数も計算できます。
計算する前に注文レートから損切り設定レートラインまで値幅である損切り値幅の求めておく必要があります。
損切り値幅は、そのときの相場のボラティリティー(変動幅)によって違うので、変動幅に合わせて算出します。
最適なロット数=最大許容損失額÷損切り値幅
の公式で求めることができます。
問題
100万円の投資資産で1回のトレードで最大許容損失率が2パーセントの場合、
このときの損切り値幅は28pipsとすると、最適なロット数はいくらか。
最適ロット数=2万円÷0.28=71428通貨=0.71ロット
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