トレードの優位性とは、それを利用して利益を狙う手法です。これには、テクニカル分析による値動きによる優位性、また企業活動の結果として相場が動く際の値動きによる優位性です。
相場は大きく分けて3つ、より細かく見ると6つの動きに分けられます。3つに分けた場合は、上昇トレンド、レンジ、下降トレンドという分類になります。
上昇トレンドは、名前の通リ上昇している相場です。反対に下降トレンドは下落しているトレンドの相場。どちらでもなく、一定の幅を行ったり来たりしている相場をレンジといいます。
大まかに見れば、相場はこの3つのどれかに当てはまります、今、相場はどういう状態なのかを意識して取引を行うのが大切です。
注意したいのは、上昇トレンドと下降トレンドというのは、常に上昇し続けたり、下降したりするわけではありません。そのことを詳しく見たのが6つの分類です。
6つの分類では、上昇トレンド、レンジ、下降トレンドのそれぞれに値動きの緩やか場合と荒い場合を分けて考えます。要するに緩やかな上昇トレンド、値動きの荒い上昇トレンド、緩やかなレンジ、値動きの荒いレンジ、緩やかな下降トレンド、値動きの荒い下降トレンドの6つに分けて考えるということです。
3つのの分類の方向性がわかったら、次の6つの動きで値動きの差がどうなっているかを探ります。
緩やかな動きであれば、ポジションをじっくり待つというスタンスでいいでしょう。
しかし、値動きが荒いときは、早めに損切りや利食いを考えなければなりません。したがって、6つの分類では、値動きのスピードがとても大切です。
そしてこの6つの分類で利益のチャンスがより大きいのが緩やかな上昇トレンド、値動きの荒い上昇トレンドの上昇の動きと緩やかな下降トレンド、値動きの荒い下降トレンドの下落の動きです。
レンジ相場のように上下に行ったり来たりしていると、一見、収益のチャンスが多いように見えますが、上下の動きがあまりに激しいと方向性を見定めるのが難しいのです。
これに対して、値動きの幅に差があるものの、一方向に動くのがトレンド相場で流れにうまく乗ることさえできれば、収益を上げることことができるのです。
利益を獲得するための代表的な優位性のある基本適な手法
「トレンドは継続する」というダウ理論の考え方に基づいて、最も一般的な順張り手法です。上昇トレンドがいったん逆行する押し目で買う、あるいは下落トレンドがいったん逆行する戻りで売るといった手法です。一時的に逆行する方向に引きつけるため、利益を大きくすることができます。難易度は比較的低いです。
相場の節目おなる、高値や安値のラインにおいて、それらを突き抜ける勢いのある動きを狙う手法です。そのラインを突き抜けるときに、買いや売りが殺到することを予測して、その方向に順張りします。
気をつけたいのは、ボラティリティが低いと、ラインを突き抜けたとしても、その後が続けて伸びない場合が多いことです。その場合は、順張りが失敗になります。
例えば、高値でブレイクアウトのケースは直近の安値の下など、あらかじめ決めたポイントで損切りとなります。難易度は押し目買い、戻り売りよりも高いです。
節目となる高値や安値のライン付近で反転すると予測して、逆張りする手法です。いわゆるレジスタンスライン、サポートラインの見極めが重要になります。ブレイクアウトになったら損切りします。
アノマリーとは、一般的に「理論的に説明できないもの、経験的に観測できる規則性のこと」です。FXでは、東京時間の仲値やロンドン時間のロンドンフィキシング(ロンドン市場の16時の値決め)など特定の時間帯の特定の値動きから利益を狙う手法をいいます。また、夏枯れ相場など、季節性との関係による傾向もあります。
仲値で特有の値動きが見られるのは、実需取引が発生するためです。銀行や金融機関がその日に取引きするドル円のレートは午前9時55分に決定し、10時に公示されます。その仲値公示に向けて、ドルを必要とする銀行や企業が調達を始めるので、円を売ってドルを買う取引きが偏って発生します。
一方では、ドルを持った企業が、それを日本円に両替する取引きも発生します。このような複合的な要因から「ドル円レートが9時55分に向って上昇しやすく、9時55分後に下向しやすい」と言われています。
(注)仲値 (なかね)とは、金融機関が外国為替取引をする際の基準となるレートのことです。TTM(Telegraphic Transfer Middle Rate)ともいい、金融機関が毎朝9時55分の為替レートを参考に決定します。
金曜日の市場クローズ時と翌週月曜日の市場オープン時のレートに生じたギャップ(窓)を狙う手法です。土日に大きなニュースが出ると、月曜にギャップ(窓)が開く場合が多くあります。月曜日の朝にギャップが開いた場合、それを埋めようとする値動きしやすいということです。
ただし。ギャップは必ずしも埋まるとは限りません。また、埋まるまで数か月以上かかることもあります。以上のことから、この手法はどこで損切りするかが重要になります。
日本時間早朝の流動性の低い時間帯に、特定の動きを狙う手法です。その時間帯は、大きく値動きした場合に元のレートに戻りやすい傾向があります。
ただ流動性の低い時間帯ですので、スプレッドが拡大しています。そのため大きな利益を狙えるわけでもありません。日本時間早朝のスプレッドが広くなかったかつては。安定して利益を得ていたので、多くのトレーダーがこの手法を使っていました。
しかし、これは、FX会社の利益を圧迫することにしかならず、結果として、今はほぼすべてのFX会社では、日本時間早朝のスプレッドが広くなっています。
高金利通貨の買いポジションを、低いレバレッジで保有し続け、スワップポイントの受け取りを狙う手法です。一時期、多くのメジャー通貨が高金利だったときには、非常に人気がありました
。しかし。サブプライム・ショックやリーマンショックによる暴落で。強制ロスカットに追いやられる人は続出し、それ以降、金利の低下とともに人気がなくなりました。
現在は、高金利の通貨は少なくなっています。マイナー通貨のトルコリラ、メキシコペソなどがわずかに挙げられる程度です。初心者には難しいものになっています。
グリッドトレードとも呼ばれる手法です。相場が予想と逆方向に動きたときに一定方向でポジションを積み増します。買いの場合、この作業を行うことによって平均取得レート、すなわち損益分岐点が下がるため、相場が予想した方向に回帰したときには、含み損の解消と利益の発生が早まることになります。
ナンピンは、初心者が取組みやすい手法のように見えますが、実はその逆で、ポジションの建て方、および資金管理に失敗すると、強制ロスカットされてしまします。相場の厳しさを知った上級者向けの手法だと言えます。
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