今回はトレンド相場で使われるロジックであるエリオット波動理論について説明します。
ここでは、エントリーに使う必要なところだけを説明します。
アメリカのエリオット氏が75年間のニューヨークダウの株価波動を分析して発見した相場サイクルの波動理論をいいます。
エリオットは相場のトレンドの動きには、一定のリズムがあることを唱えました。一見なんでもなく見える相場の動きにも、宇通や自然の法則のような普遍的な法則と同じ動きがあることを見出しました。
エリオット波動理論の中でもFXに関しては波動パターンが重要です。この波動パターン分析は主に長期の予想ですが、短期の予想にも使います。波動自体はどのような大きさでも、基本的には同じ動きが現れるためです。
1つの山のサイクルは、基本的に5つのトレンド推進波と3つのトレンド修正波からできています。推進波は相場が進行することで上昇の場合もあれば下降の場合もあります。修正波は推進波の5波動が終わったら、推進波を逆行して修正する波のことです。
上昇トレンドの場合は上昇推進波は5波と上昇修正波3波で構成され、下降トレンドの場合は下降推進波5波と下降修正波3波で構成されます。
下図は話をわかりやすくするために上昇トレンド相場のケースで、推進波は上昇第〇波と表し、修正波は下降第〇波と表現します。(下降トレンド相場の場合は上昇トレンドのグラフの向きが逆になります。)
上昇トレンドの場合、下図のように1つの山のサイクルは上昇5波と下降3波の8つの波動の組み合わせで基本的に構成されていると考えます。
下図のケースでエリオット波動のパターンになっているかどうかが判別方法は、次の3つです。
・上昇第1波・3波・5波の中で上昇第3が一番短くなることはない
・上昇第2波が上昇第1波よりも安値をつけることはない
・上昇第4波が上昇第1波の高値を下回ることはない
各波の主な特徴
上昇第1波・・・下降から上昇への最初の動き。第3波や第5波に比べて反発は小さい。この段階では、まだトレンドが始まるかどうかの判断は難しい。もしこの第1波が長くなる時は、上昇トレンドが始まらないケースもありうる。
上昇第2波・・・下落幅は第1波の0.382倍か0.618倍(フィボナッチ比率)が目安になる。
上昇第3波・・・第2波が確認されれば市場は買いに広がる。本格的な上昇に入り、上昇幅は長く強いものになる。上昇幅は第1波の1.618倍、2.618倍(フィボナッチ比率)が目安になる。
上昇第4波・・・最後の上昇波が始まる前の手仕舞いや押し目買いなど入り乱れて、複雑な動きを見せる。下落幅は第1波の0,382倍、0.618倍(フィボナッチ比率)または同じ動きになる。
上昇第5波・・・高値不安が増してくるため、第5波は上昇スピードが減少し、上昇幅は第1波と同じかまたは、1,618倍(フィボナッチ比率)と見られる。
下降A波・・・上昇の終わりのサインと見る。
下校B波・・・上昇第5波の天井を超えた場合は、新たな上昇トレンドが始まった可能性がある。
下降C波・・・下降A波の底を抜けると下落が加速して急落するケースが多い。
*フィボナッチ比率とは、自然界のよく見られる黄金比率と関係が深い比率を言う。フィボナッチ比率を活用することで波動の転換点を予測することができます。
上昇第3波
エリオット波動を用いた最もシンプルなエントリー方法は上昇第3波を乗ってエントリーする方法です。上昇第3波は全上昇5波の中で最も上昇・下降する幅が大きく、大きな利益を狙いやすいポイントになります。
具体的なエントリーのタイミングですが、上昇第1波の高値を超えたタイミングです。この高値を超えるかどうかはしっかりと確認します。
または、上昇第2波の途中でも良いです。
上昇第4波
エリオット波動を用いたもうひとつの最もシンプルなエントリー方法は上昇第4波に乗ってエントリーする方法です。上昇第4波で上昇第3波と逆サイドの注文をすることで下落することでも利益に変えれます。
ただ、上昇第4波は上昇第3波に比べて値幅が小さいので上昇第5波の推進波が来る前の決済を忘れないようにしましょう。
損切りのタイミング
エリオット波動では、次の波がどこらへんまでくるかを予測できます。万が一想定していた境界ラインを超えた場合には、エリオット波動に当てはまらない可能性があるので、そのときは損切りをします。
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